日本の子供は海外に比べて自己肯定感が低いと言われています。
これからの変化の大きい時代、人工知能(AI)の進化や、未知のウイルスや大規模な自然災害などによる先の不透明な中を生きていくために必要な力の1つが自己肯定感です。
そこで、子供の自己肯定感をグッと高める手軽な方法のひとつとして親子クッキング!「子供と一緒に料理する時間がなんてない・・・」という忙しいママにもおすすめです。すきま時間にできる親子クッキングの方法を、子供のお手伝いレベル別にお伝えします。
1.自己肯定感が大切な理由とは
「自己肯定感」とは、字のとおり「自分を肯定する感覚」のことです。
自己肯定感が高いと、物事に対して前向きに挑戦できたり、失敗してもあきらめず、解決方法を自分で考えながら前に進んだりすることができます。また、自分を肯定できることから、周りの人のことも尊重することができるようになります。そのため、コミュニケーション能力が高く、社会性も高まります。
現状、日本の子供は諸外国に比べて自己肯定感が低いといわれています。
内閣府の「令和元年版 子供・若者白書」によると、「自分自身に満足している」の項目で、「どちらかといえばそう思わない」「そう思わない」と答えた日本の子供・若者の割合は55%となっています。一方アメリカでは13%、イギリスでは20%、韓国では26.5%。日本の子供の自己肯定感が、国際的にみると低いことが分かります。
2.親子クッキングで子供の自己肯定感が高まる理由
キューピー株式会社の調査において「親子で野菜の調理経験がある」「親子で野菜以外の調理経験がある」「親子での調理経験がない」の3つのグループに子供を分け、心理的発達スコアを比較・評価しました。その結果、自己肯定感の項目では、親子で料理をしたことがない子供は2.85と、3つのグループの中で一番低いスコアとなりました。逆に、親子で野菜の料理をしたことがある子供は3.09、親子で野菜以外の料理をしたことがある子供は2.96。親子で料理をしたことのある子供は、したことがない子供に比べて、自己肯定感が高いという結果が出ています。
親子クッキングで子供が自己肯定感を高められる要因を3つお伝えします。
①自信と達成感を味わうことができる
子供は役割を与えられると、責任感をもちます。そして、その役割を果たすと「自分でできた!」という自信や達成感を味わいます。自信や達成感を味わう経験は、子供の自己肯定感を高めてくれます。
料理は、「目の前になかったものを作り上げる」という、目に見えて「できた!」を感じやすいお手伝いの1つ。また、大好きなママがいつもやっている料理を自分が任されているということは、とても大きな自信になりますよ!
②親にほめられることで自信がつく
子供の自己肯定感は、親からほめられることで高まります。料理をしていると、子供が「できた!」と思える場面がたくさんあります。そのときにママ、パパからほめてもらえると、さらに自信がつき、自己肯定感が高まるのです。
この際、ママ、パパのほめ方にもポイントがあります。できた結果だけをほめるのではなく、できるまでの頑張りを含めてほめてあげてください。たとえば、「上手に切れたね!」だけではなく、「集中して切っていたね!」のように、結果だけでなく、過程もほめてあげましょう。
③好奇心が刺激される
料理をしていると、自己肯定感を高めるのに大切な好奇心を刺激する場面がたくさんあります。
子供は料理をしていると、「この野菜、切ったらどんな色になるのかな?」「火を通すと固さが変わるのはなんでだろう?」と、次から次へと疑問がわいてきます。
好奇心をかりたてる経験は、新しいことにチャレンジする姿勢を育みます。たとえ失敗したとしても、「どうすればいいか」を考えて、次に活かすことができるようになります。このような経験を繰り返して、自己肯定感が高まっていくのです。
また、「親が子供のことを丸ごと受け入れてくれる」という感覚を、子供が得ることで、自己肯定感はさらに高まります。
一緒にお料理をしていると、「じゃがいも洗っていい?」「にんじん切ってみていい?」など、子供から好奇心をもって、「やりたい」と思うことが出てきますよね。
子供の「やりたい」気持ちを親が受け入れて任せてあげることで、子供の自己肯定感がさらに高まりますよ。
3.子供と一緒でも簡単にできる調理法&レベル別お手伝い方法をご紹介
子供と一緒に料理をする際に、問題となるのが、「余計な手間がかかって、時間がかかる」ではないでしょうか?
たしかにまだ小さな子供は手先を思うように動かすことができないので、やってほしいことを上手にできないこともあるかもしれません。
上手にできないと、子供もママもイライラしてしまうかもしれません。月齢に合わせて、できることを見極めてあげることが大切ですね。
ここでおすすめしたい調理法が「重ね煮」です。
重ね煮は「食材を切って・鍋の中に重ねて・火にかける」の3ステップで作れる簡単な調理法!ママにも調理の負担が少なく、小さなお子さんにも手伝ってもらいやすいですよ。
たとえば、肉じゃが。一般的には、
・じゃがいもやにんじんの皮をむく
・食材を油で炒めてから煮る
という工程がありますよね。
でも重ね煮なら野菜の皮むきや、油で炒めるはいりません!
①食材を切る
②上の図のような順番で鍋に食材を順番に重ねる
③火にかけて、最後に味付けをする
これだけで作ることができます。
しかも、重ね煮では野菜をたっぷり使います。先ほどご紹介したキューピー株式会社の調査で、もっとも自己肯定感が高いとわかったのは、「親子で野菜の調理経験がある」グループの子供でした。
その理由として考えられるのは、野菜のバリエーションの豊かさです。
野菜は種類によって色や形、におい・味がさまざまです。また野菜を使った料理の種類も豊富で、食卓に上がる頻度も高いですよね。さまざまな形で触れる機会の多い野菜だからこそ、子供の好奇心をかり立て、親子での会話にもつながります。
このことから、親子での野菜調理経験が子供の自己肯定感をより高めると考えられるのです。
重ね煮で野菜をたっぷり使って、子供の自己肯定感をもっともっと高めてあげたいですね。
☆レベル別子供のお手伝い☆
ここで、子供にお手伝いしてもらう調理工程をレベル別に分けてお伝えします。お子さんの月齢や、料理の慣れなどを考慮して、お手伝いをお願いしてみてくださいね。
【歩けるようになったら(年齢目安:1歳~)】
<レベル1:食材を持ってくる>
「一緒に台所に立つにはちょっと心配」という小さなお子さんには、食材運びをお願いしてみましょう。
「じゃがいも、3個お願いね」などと伝え、ママのところに持ってきてもらいます。
一緒に作った料理を食べるとき、「〇〇ちゃんが持ってきてくれたじゃがいもだね」などと声をかけると、子供の自信にもつながります。
【積み木をつめるくらい手先が器用になったら(年齢目安:3歳前後~)】
<レベル2:切った食材を鍋の中に入れる>
重ね煮は、上の図のような順番で食材をお鍋の中に重ねていきます。まだ火にかける前の熱くない鍋に食材を入れるので、小さなお子さんでもやけどの心配がありません。
「じゃがいもをお鍋に入れてください!」「次に玉ねぎをのせてください!」と、ママが順番に声をかけてあげるだけで、お子さんもきっと上手に食材を重ねてくれますよ!
【包丁を持てるようになったら(年齢目安:3、4歳~)】
<レベル3:食材を切る>
おままごとで包丁をもつ経験を重ねていたり、台所に立つことに慣れてきたお子さんには、食材を切ることに挑戦させてみましょう。難しい行程なので、できると大きな自信になります。
包丁に慣れていないお子さんには、ほうれん草などの柔らかい葉物系から始めてみましょう。慣れてきたら小さな手でも押さえやすい、きゅうりやにんじんなどの長めのものがいいですね。
ただし、切る工程はケガの可能性もあるので、時間に余裕のあるときにチャレンジすることをお勧めします。
いかがですか?
一般的には、料理の手伝いは2歳ごろからといわれていますが、2歳より小さくても、お子さんが料理に興味をもったら、ぜひできることから始めてみましょう。小さいから無理、と思わず、小さなことから任せてみると良いですね。「ママ助かったよ、ありがとう!」「一緒に作ると楽しいね!」など、積極的にコミュニケーションをとりながら、親子クッキングで子供の自己肯定感を育ててあげてくださいね^^
執筆者
重ね煮リサーチャー 杉本 かよ
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杉本かよ
みなさん、はじめまして!親になって自分のことはあとまわしになっちゃっていませんか?子供はもちろん、ママ・パパがもっと笑顔で心ゆたかな生活をすごせるような、重ね煮のレシピと知恵をお届けします^^
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