寒さが増し始め、一年も段々と終わりに近づいてきました。クリスマスや年末年始、イベントが続くこれからの季節。アメリカではサンクスギビングホリデーを皮切りに、ウキウキしたムードが漂っています。こうした時期は友達や親戚と集まる機会も増えますね。
たまには制限せずにハメも外したい。楽しい時間を思い切り過ごすために気をつけたい食事のポイントをお伝えします。
イベント疲れ、していませんか?
クリスマスなら揚げ物や焼き物にケーキ、年末年始にはお餅やお節料理。大勢に振舞われる料理は見た目も華やかな洋食も多いですね。ジュースや炭酸、お酒を飲む機会も多くなると思います。
連休や行事が続くと気になるのが気分や食事の乱れです。イベントも一段落したけれど、休み明けに体が重い。何となくフワフワした気分や習慣が抜けない。疲れてやる気が出ない。胃腸が休まる暇なく食べ過ぎたり飲み過ぎたりすると、体調も崩れやすくなります。
気持ちも切り替えて体も元に戻したい。そんな時には食事でメリハリをつけることをオススメします。
昔から大切にされてきたハレとケの区切り
ハレとケという言葉を聞いたことがありますか?
ハレは晴れ、ケは褻という漢字を使い、日本で昔から取り入れられてきた生活バランスのことです。このハレとケこそ、普段の生活や食事でメリハリをつける際に意識したいことなのです。
ハレ(晴れ)は非日常。年中行事やお祝いなどの儀礼、祭りをハレとし、今でもお祝い事や、ここぞという場面で「晴れの日」という言葉を使うため、なじみがある方もいるかと思います。一方でケ(褻)は日常のことを指します。普段の生活の営みがケです。
昔はこの2つをはっきりと区別し、明治以前はハレの日に着る服を晴れ着、ケの日に着る服を褻着と言ったそうです。
食事に関しても同じです。ハレの日にはハレの食を。普段食べたり、飲んだりできないご馳走を楽しみました。またそれが楽しめるのはケの日があり、ケの食があってこそ。
このように日常と非日常をきちんと区別することで、ケの日を大切にして生活にメリハリをつけ、気分や体調をリセットしてハレの日を思い切り楽しんだのですね。
では、現在ではどうでしょうか。
特別感を楽しみ心も体も豊かに!
外食の機会も増え、何でも簡単に手に入る現在。以前はハレの日にしか口にできなかったようなハレの食を、日常=ケの日でも食べることが増えてきました。ハレの日とケの日の区別があいまいになっているのです。
誕生日やクリスマスでもないのにケーキが食べられたり、お祝いでもないのにお寿司がスーパーで買え、手軽な食事にもなり得ます。
特別な時だから食べられたご馳走、そう思っていた食べ物でも、価格が下がったり、手に入りやすくなったことで、口にするハードルが下がりました。そうなると、同時に特別感も減ってしまいます。
体調面でも気になることがあります。日常からハレの食になると、脂っこかったり、味付けの濃い食事がクセになり、なかなか抜け出すことができません。濃い味付けは食が進むので、暴飲暴食の余韻が残って体が重い、気だるいと感じ、お腹もなかなか空きません。
ハレの日のあとはケの日に戻す。毎回食べ過ぎてお腹いっぱいではなく八分目に抑え、ケの食を大切にすると、ハレの食が際立ち、楽しみも倍増!たまにしか食べられないものが食べられる喜びで心も満足しますね。
我が家の場合も、普段はご飯に味噌汁を中心とした和食がメイン。喉が渇いた時に飲む普段の飲み物は水かお茶です。そのかわり、週末や外食時、友人と遊ぶときなどはジュースや炭酸を飲むこともあります。
毎日ではなく、たまにが重要。普段のケの食で体の調子を整え、たまにハレの食で心を満たす。そうしたメリハリをつけることで心と体のバランスも整っていくのです。ハレの日を思い切り楽しむためにも、せひ普段のケの日を意識してみて下さいね。
執筆者
重ね煮リサーチャー 石坂 真紀
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