料理の悩み

【SDGs】食品ロス、エネルギー削減で地球にも優しい、持続可能なごはん作り

持続可能な開発目標として耳にする機会も多くなった「SDGs」ですが、改めて「私たちにできることは?」と考えると、何が思い浮かぶでしょうか。

食品ロスやエネルギー資源の削減など、より良い社会にしていくためにできる、簡単、おいしい、だから続けられる、そんな、地球にも人にも優しいSDGsな調理法をお伝えします。

 

日本での食品ロスは、家庭からの廃棄量が約半数ー「食べ残し」「直接廃棄」「過剰除去」

食品ロスとは、食べられるのに捨てられる食品のことです。
農林水産省及び環境省「令和2年度推計」によると、日本の食品ロスは年間522万トンと言われ、この内家庭からの食品ロスの量は、247万トンと全体の47%と約半数を占めます。日本では、「食べることができるのに廃棄される食品」が、人口1人あたり、毎日113グラム、つまりおにぎり約1個分を捨てていると言われています。

 

家庭における三大食品ロスの原因は、次の3つです。

1、食べ残し=作り過ぎによる廃棄
2、直接廃棄=賞味期限切れなどによって手付かずのままされる廃棄
3、過剰除去=厚くむき過ぎた野菜の皮など過剰に除去されたもの

この3つの中で「過剰除去」を解決し、ごはんづくりも楽になる、そんな調理法があります。

 

 

食品ロス削減だけでない、地球にも人にも優しいSDGsな調理法とその理由

家庭における食品ロスの3つの原因の内の1つ、「過剰除去」を解決し、調理する人にとっても優しい調理法が「重ね煮」です。

皮ごとまるごと野菜を食べる調理法は、深刻化する食品ロス問題を解決し、この地球で暮らし続けていくために世界が目標としている「SDGs」=「持続可能な生産消費形態を確保する」取り組みにもつながります。

 

SDGsな理由①
皮つき野菜から出る出汁はうまみ!アク抜きやアク取りも不要

皮つき野菜から出る出汁は、大切なうまみです。別に出汁を取ったり、基本的に切った後のアク抜きや、煮込む途中でアクを取る必要もありません。

野菜の皮の部分には、活性酸素を除外したり、虫や鳥などの外敵から身を守るために含まれる抗酸化作用のあるβカロテンやビタミンC・ビタミンEなどのビタミン、香りの元となるフィトケミカルなどを含んでいます。皮付きのまま調理することで、野菜の栄養素をまるごと取り入れることができます。

ただし、緑に変色したじゃがいもの皮にはソラニンという毒素があります。また、芽にも同様にソラニンやチャコニンといった天然毒があるため、この部分は必ず取り除きましょう。

 

SDGsな理由②
食材のエネルギーを利用して時短調理

重ね煮では、皮つき野菜を、レシピ通りに鍋の中に重ねていきます。野菜の皮むき、出汁を取る必要なし、アクを取る必要がないので、時短にもつながります。

 

SDGsな理由③
切って重ねて火にかける3ステップで簡単!だから、無理なく続けられる!

重ね煮は、切って重ねて火にかけるだけの簡単3ステップです。順に重ねると、火にかけた時、鍋の中でたくさんのエネルギーの対流が起き、食材が一体となると言われています。そうすることで、やさしくてまろやかな味になるので、おいしさもアップ。

簡単、そしておいしいので、無理なく続けられます。

 

 

SDGsな秋の重ね煮味噌汁レシピ

秋に旬を迎える食材をたっぷり使った「秋の重ね煮味噌汁」をご紹介します。
野菜の皮むきやあく抜き不要で、レシピ通りに重ねて火にかけるだけで作れて、簡単!その上、おいしいレシピです。

≪秋の重ね煮味噌汁≫
【材料と作り方】
-------○------
味噌   60g
油揚げ  1/2枚
ごぼう  20g・・・ささがき
人参   25g・・・いちょう切り
たまねぎ 60g・・・うす切り
さつまいも80g・・・半月切り
きのこ  60g・・・ほぐす

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水 3カップ
ねぎ1本・・・小口切り

1.鍋にきのこを下、順にさつまいも、たまねぎ、人参、ごぼう、油揚げ、味噌と図のように材料を重ね、分量内の水をひたひたまで入れて、フタをして火にかける。

2.沸騰したら弱火にし、材料がやわらかくなるまで煮る。

3.残りの水を加えて味をととのえ、ねぎを加えて一煮立ちさせる。

【ポイント】
☆ごぼうはたわしで洗うだけで、皮が厚くなければ、包丁の背でこそげる必要もありません。あく抜きも不要です。
☆きのこは、えのきだけ、まいたけしめじなどお好きなものを使ってくださいね。

 

 

SDGsな調理法としての重ね煮。皮付き野菜が皮に含まれる栄養や旨みを活かし、食材のエネルギーを生かした時短調理でエネルギー資源の節約、そして調理の負担も楽になり、簡単だから続けられる、一石三鳥の調理法です。

ぜひ、皮ごと野菜を調理する秋の重ね煮味噌汁を作り、おいしさと簡単さを実感してみてくださいね。

 

執筆者
重ね煮リサーチャー 高田 聖子

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高田聖子

高田聖子

<専門分野> 料理が苦手、家族の健康
毎日の食事作りが億劫で苦手。アトピーや冷えなどの体調不良も、さまざまな健康情報を試すもなかなか改善しない。離乳食作りの大変さに藁にもすがる思いで出会った重ね煮。そんな私が、毎日無理なく続けられ、笑顔の毎日が送れるようなった重ね煮の知恵をお届けします。

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