レシピに分量が書いてあるけれど、いちいち量るのは面倒くさい。調理に時間や手間をかけたくないから、材料の分量も、味付けも、目分量。しかし味見をしたら何か物足りないから調味料を付け足したり、反対に味が濃すぎたから水を足して薄めたり。
手早く作りたいはずなのになかなか味付けが決まらない。そんな経験はありませんか?
今回は料理を手早く作りたい方にこそ実践してもらいたい、計量についてお伝えします。
計量する目的は何?
レシピに書かれている分量通りに作れば美味しいということはわかっているものの、毎回きっちり計量しているという方は、あまりいないのではないでしょうか。確かに毎回計るのは手間ですよね。
では、どんな時に計量をすればいいのでしょうか。それは初めて作る時。そして味がブレてきたと感じた時。
例えば重ね煮味噌汁に人参を入れる場合、使う量は20グラム程度。実は私、人参を初めて分量通りの大きさで見た時に、思ったより少ないと感じました。しかし実際はその量がバランスの取れた適正量。一度、きちんと計量すると適正量と自分の感覚とのズレがよくわかります。
美味しく、バランスよく作るために計量するということはもちろんですが、実際に使う分量と自分の感覚とのズレを修正するためにも、計量が必要なのです。
目分量は手間のもと
初めて作る時、また味がブレてきたと感じる時に計量をするとお伝えしましたが、もうひとつ、日々私が実践していることがあります。それは水分量と調味料は毎回量るということ。
野菜の場合は一回計量して確認すれば、見た目でも大体何センチくらいと、その大きさが確かめられます。また時々量りながら繰り返し作るうちに、感覚としてこのくらいの大きさなら何グラムくらいと言うことがわかってきます。それがわかってしまえば毎回きっちりと量る必要はありません。
それに対して水の量や調味料はどうでしょうか。これらは少しの量の違いで味がかなり変わってくることがあります。目分量で水や調味料を加えると、毎回加える量や比率が変わり、味がブレてしまいます。薄かったり濃すぎたり、あれこれ手を加えて調整に余計な手間や時間がかかる上に、納得の味に仕上がらないこともあります。
だからこそ、水分量と調味料の分量さえ同じならば、毎回同じ味付けに仕上げることができるのです。また重ね煮ならば調味料の種類も少ないので、そのぶん量る回数も少なくて済みます。鍋の種類の違いや野菜から出る水分などもあるので、最後は味見をして微調整する。それだけで済むのです。
手早くブレない味に仕上げたいならならば計量する。一見手間に感じるこの作業が時短の秘訣です。
バランスの良い食事は材料も時間も無駄なし!
計量することでバランスが整うということも大きなメリットとしてあげられます。
重ね煮ならば、数種類の野菜を重ねて調理することで、調和された味わいに仕上がります。しかし何かが多すぎたり少なすぎたり、分量のバランスが大きく崩れると、仕上がりの味も変わってくるのです。
その料理に使う材料の適正量を知れば、例えば人参一本を、素材の組み合わせで3種類ほどの料理に使うことができ、無駄なく使い切れます。
手間がかかるから計量しないのではなく、忙しいからこそ何度も味付けを繰り返すことなく一度で味を決めたいですよね。素早く調理を仕上げるために、ぜひ一度計量してバランスの取れた味わいを確認してみて下さいね。
執筆者
重ね煮リサーチャー 石坂 真紀
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