料理の悩み

重ね煮って何? 水が決め手の時短・簡単・美味しい 「重ね煮」

「重ね煮って何?」という方や、「名前だけは聞いたことはあるけれども、わからない」という方も多いと思います。

重ね煮には、水を使う重ね煮無水の重ね煮の2つの種類があります。
この記事では2つの重ね煮の違いを伝え、「水を使う重ね煮」の魅力が分かり、ライフスタイルに合わせて使いこなせるようになります。

 

重ね煮=東洋の自然観「陰陽」の考え方から確立されたもの

「重ね煮」は、東洋の自然観「陰陽」の考え方から確立されたものです。食材も、私たち人間の体も、自然界の一部であり、陰陽の要素があると捉えています。

健康とは、陰陽バランスが取れている「中庸」の状態の時。反対に陰性、陽性のどちらかに傾いてしまった時は、傾き具合が大きいほど体調が激しく崩れてしまいます。日常生活に留意し、傾きを少しの範囲に治めていれば大事に至らずに、体調をすぐに戻すことができます。

 

 

2つの重ね煮:「水を使う重ね煮」と「無水の重ね煮」

「水を使う重ね煮」と「無水の重ね煮」。これらは、いずれも江戸時代の医師 石塚左玄さんから、マクロビオティックの創始者 桜沢如一さんへと続く食養の流れからきています。

 

水を使う重ね煮=鍋の中で中庸を作り上げる

「水を使う重ね煮」は、梅崎和子先生が桜沢如一さんの弟子であった小川法慶先生より学びとったことをレシピ化し、アレルギーをお持ちのお子さんも食べられる家庭料理として確立されたものです。

水を使う重ね煮の特徴として、一つの鍋の中で陰陽調和をはかる=中庸を作り上げるという点があります。

鍋に陰性から陽性の順に食材を重ね、地球の70%、そして私たちの体の70%を占める水を加えてフタをして火にかけると、鍋の中で「小宇宙」とも言えるらせん対流が起きて、互いのエネルギーがぶつかり合い、陰陽が調和します。このらせん対流を起こすために、水と空気の通り道が必要です。食材はみじん切りにしたり、ぎゅうぎゅうに重ねたりせずふんわりと重ねて作ります。

 

無水の重ね煮=しいたまにんじんの重ね煮

「無水の重ね煮」は、小川法慶先生より学ばれた船越康弘さんが、ご自身が経営されている民宿「わら」でお客さまに食べていただくお料理として確立されてきたものです。

「しいたまにんじん」とも言われる「しいたけ、たまねぎ、にんじん」を使った重ね煮のベースこのべースを無水調理で弱火で30〜40分火にかけて作り、ポテトサラダやお味噌汁などにアレンジするというもの。無水なので1週間の保存が効くという利点があり、重ね煮のベースを作る段階で野菜の美味しさを引き出すという点にフォーカスされています。

参考サイト:http://wara.jp/blog/page-256/

 

 

水を使うから時短、簡単、美味しいが叶う重ね煮

「水を入れるか入れないか」「火加減の強さ」。この違いが、出来上がりまでの時間、食感、色に大きな影響を与えます。

 

水を使った陰陽調和に基づく重ね煮にあり、無水の重ね煮にない部分は、次の3つです。

1、 短時間でできる

驚くほど短時間でできます!水が助けとなり対流をスムーズに起こしてくれるので、火の通りが早い、つまり時短です。

お味噌汁の場合、調理開始から15分で具沢山のお味噌汁をいただくことができます。

 

 

2、さまざまな食感を楽しめる

重ね煮でなんでも作ることができます。煮物、汁物をはじめとして、和え物、なんでもお任せです。

肉じゃがは、じゃがいものホクホクした食感がおいしい!重ねる順番により、効率的に火が通るので、それぞれの食材の食感を残したまま、味しみもしっかりとした肉じゃがが出来上がります。

和え物を作った時のシャキシャキとした食感にも、感動でした。はじめていんげんのごま和えを作った時、「こんなに短時間で、美味しいのは、この食感が生きているからだ」と思ったのです。

ほんのわずかの水を使った蒸し煮は数十秒で食感を残して火が通り、素材の甘みうまみがしっかり残るので、少ない調味料でもおいしい和え物ができるのです。

 

 

3、鮮やかな色に仕上がる

「料理はまず初めに目から食べる」と言われますが、鮮やかな色に仕上がるのが特徴です。水が助けとなり素早くスムーズにらせん対流を起こすことで、鮮やかな色が残ったままで調理できます。

 

 

「水を使う重ね煮」「無水の重ね煮」どちらの重ね煮も、野菜本来の素材の持ち味を引き出した料理法です。

私がはじめて出会ったのは、無水の重ね煮でした。重ね煮のベースを作っておくことでさまざまな料理へアレンジできることが楽しくはじめました。

その後「水を使う重ね煮」に出会いました。決まった食材を使うのではなく、季節によって異なる食材の組み合わせを楽しむことができ、毎日の料理の中で活用できる、時短・簡単の要素が、私にとって暮らしの中で取り入れやすく、続けていくことができています。簡単にたくさんの種類の野菜を食べられる煮物や汁物はもちろん、手軽にできる和え物の美味しさを知った時、これだったら料理が苦手な私でも続けられる!と感じたことが続けられている大きな要素です。

 

下記の方には、水を使った重ね煮がお役に立てると思います。

こんな方におすすめ

  • 仕事と育児に追われて時間がないワーママ
  • 作り置きがいいと聞いてやってみたけれど、まとまった時間がなかなか取れず続かなかったママ
  • お弁当にあと一品、そんな時に簡単に作れる方法を知りたいママ

 

「水を使った重ね煮」の詳しいレシピを知りたいという方は、重ね煮LABの各記事や、下記の書籍をぜひ参考にして、重ね煮生活をはじめてみてくださいね。

 

 

執筆者
重ね煮リサーチャー 高田聖子

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高田聖子

高田聖子

<専門分野> 料理が苦手、家族の健康
毎日の食事作りが億劫で苦手。アトピーや冷えなどの体調不良も、さまざまな健康情報を試すもなかなか改善しない。離乳食作りの大変さに藁にもすがる思いで出会った重ね煮。そんな私が、毎日無理なく続けられ、笑顔の毎日が送れるようなった重ね煮の知恵をお届けします。

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