「もしも」の備え、どのようにしていますか?
特に食物アレルギーのお子さんがいるママにとっては市販の備蓄食材は使えなかったり、おいしくないとお困りではありませんか?
そんなママに、「もしも」の時に安心できるローリングストック食材とその活用法をお伝えします。
避難所でアレルギー対応食品は届きにくい現状
災害時に支給される備蓄品の多くは、「水」「カップラーメン」「米」「カップ麺」「レトルト食品」などです。厚生労働省発行の「要配慮者のための災害時に備えた食品ストックガイド」によると、東日本大震災発生時の状況では、アレルギー対応食品について1週間以上手に入らなかったという方が半数、中には1ヶ月以上手に入らなかったと回答する方もいらっしゃいました。
災害時こそ健康を保つことが大切になります。
アレルギーがあるために、必要な食事が摂れない、、、と困ったことにならないためには、乾物の常備がおすすめです。
「美味しく、かつ非常時にも使える」ものを日常生活で多めに備えておくことで、「もしも」の時も、「いつも」と同じように食事ができます。賞味期限の短いものから使うことで、常に新しいものが用意されているため、災害時にも慌てずに食材確保ができている状態をローリングストックと言います。
おすすめのローリングストック食材3つ
食物アレルギーを理由に災害弱者とならないために、ローリングストック食材として3つをご紹介します。
1、ひじき
缶詰のひじきもありますが、乾燥ひじきは、利用する際わずかな水で戻して使うことができます。省スペースで保存が可能です。
ごはんと一緒に炊き込んでおにぎりにしたり、災害時にも不足しがちなミネラルや食物繊維を含む煮物が作れます。
2、切り干し大根
切り干し大根も、わずかな水で戻して使うことができ、また旨味成分がたっぷりの乾物です。わずかな調味料でおいしくいただけます。
ひじきと同じように、ごはんと一緒に炊き込んで食べたり、煮物にも活躍します。サラダにも使えます。
3、米
ご飯類は、パンと比べて腹持ちが良いものです。レトルトご飯や加工米を備えている方も多いですが、米を備えておくと、水と鍋、カセットコンロとガスボンベがあれば、ごはんを炊くことができます。米は、昔から食べ慣れている一番身近な主食です。ぜひ備えをしておきましょう。
災害時、日常とかけ離れた生活が強いられる場合にも、いつもの食事に近い温かく栄養バランスのとれた食べ物があれば、心と体が満たされ元気に活動するためのエネルギーがわいてきます。
米と合わせて、水(1人あたり1日に必要な量は3リットル)、カセットコンロ、ガスボンベと合わせて、ぜひ備蓄品の見直しをしてみてくださいね。
ローリングストック食材を使った美味しいレシピ
今回、「ひじき」「切り干し大根」を使った簡単でおいしく食べられるレシピをご紹介します。
また、電気が止まっている場合もこれさえあれば安心、カセットコンロで作る、鍋炊きごはんの方法もあわせてご紹介します。
切り干し大根の煮物
【材料と作り方】
------○-------
油揚げ 1枚・・・・細切り
人参 50g・・・ 細切り
切り干し大根 50g・・・水で戻す(戻し汁は取っておく)
干し椎茸 3枚・・・ 水で戻し、細切り(戻し汁は取っておく)
糸こんにゃく 100g ・・ 食べやすい長さに切る
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水 1と1/2カップ(切り干し大根と干し椎茸の戻し汁を含む)
しょうゆ 大さじ2
1. 鍋に図のように材料を重ねて、水を加えて、ふたをして中火にかける。
2. 沸騰したら弱火にし約9分煮る。
3. 野菜が8割ほど柔らかくなったら鍋肌からしょうゆを2回に分け入れ、味を調えて煮詰める。
★ポイント★
切り干し大根など乾物は「少量の水で戻す」ことで、旨味と栄養を捨てることなく、使い切ることができます。袋の裏に「たっぷりのぬるま湯や水で戻す」と書かれているものもありますが、これでは、せっかくの栄養たっぷりの戻し汁を捨ててしまうことになります。非常時に、貴重な水。水を大切にしながら、おいしさにもつながります。
糸こんにゃくでなく、普通のこんにゃくでもおいしく作れます。
大根とにんじんのひじき煮
【材料と作り方】
(鍋の下からひじき、一番上がちりめんじゃこです)
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ちりめんじゃこ 大さじ1
油揚げ 1/3枚・・・細切り
にんじん 200g・・・拍子木切り
大根 200g・・・拍子木切り
米ひじき 3g・・・・水で軽く戻す(戻し汁は取っておく)
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水 1/2カップ(ひじきの戻し汁含む)
しょうゆ 大さじ1と1/2〜2
1. 図のように材料を重ねて、戻し汁を含む水を加えたら、ふたをして約1分半中火にかける。
2. 湯気が出たら弱火にし、約5分煮る。しょうゆの半量を加え、約2分経ったら残りを加えて煮含める。
★ポイント★
しょうゆだけで、だしや砂糖がなくても素材の甘味がしっかりとあり、おいしく仕上がります。にんじん、ごぼう、れんこんなどの根菜類での煮物もおいしくできます。
いざという時、油揚げがなくても野菜とちりめんじゃこだけや、ちりめんじゃこの替わりにかつお節を使ってもおいしく作れます。
ひじきごはん
【材料と作り方】米2合分
米 2合
米ひじき 2g・・・ ・水で軽く戻す(戻し汁は取っておく)
塩 小さじ1/2
しょうゆ 小さじ2
水 米の1.1〜1.2倍容量(ひじきの戻し汁を含む)
1. 炊飯器の内釜に30分〜2時間、分量の水に浸水した米と水、塩、しょうゆ、ひじきを入れて炊く。
(土鍋の場合は、ボウルで同様に浸水し、土鍋に入れる。ふたをして約9分強火にかけ、沸騰したら弱火で約10分煮る。火を止める直前で強火にし、3秒立ったら火を止め、そのまま約10分蒸らす。)
2. 炊けたらさっくり混ぜる。
★ポイント★
塩としょうゆのみで、やさしい味わいの炊き込みごはんです。ひじきは、米ひじき、芽ひじきは、長ひじきよりも短時間で戻ります。ごはんひとつで、ミネラルたっぷりの栄養も取り入れることができます。
カセットコンロで作る鍋炊きごはん
【材料と作り方】米2合分
米 2合
水 米の1.1〜1.2倍容量
1. 鍋に30分以上浸水した米と水を入れて、強火にかけます。沸騰したら極弱火で約10分煮る。
2. 火を消して、約10分間蒸らす。
3. 蒸らした後には、すぐにしゃもじでほぐす。
★ポイント★
ごはんは炊飯器で炊くことが当たり前になっている方も、ぜひ一度鍋炊きごはんを練習しておくことをおすすめします。
使ったのは、直径18cmの鍋です。吹きこぼれることも、焦げ付くこともなく、美味しく炊き上がりました。
防災月間をきっかけに、「いざ」という時にあわてない、乾物を使った調理法、また鍋炊きごはんを作ってみることをおすすめします。参考になれば幸いです。
執筆者
重ね煮リサーチャー 高田 聖子
高田聖子
毎日の食事作りが億劫で苦手。アトピーや冷えなどの体調不良も、さまざまな健康情報を試すもなかなか改善しない。離乳食作りの大変さに藁にもすがる思いで出会った重ね煮。そんな私が、毎日無理なく続けられ、笑顔の毎日が送れるようなった重ね煮の知恵をお届けします。
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