脂っこい食事でお腹がいっぱいなのに、甘いものは別腹だからと最後にデザートを欲張り、つい食べ過ぎてしまった。「しょっぱいもの」と「甘いもの」の組み合わせが止められない。そしてその結果体調を崩した。そんな経験はありませんか?
今回はしょっぱいものと甘いものを交互に食べたくなる理由と、体との関係についてお伝えします。
なぜしょっぱい、甘いは繰り返し食べたくなるの?
甘いものを食べた後にしょっぱいものを食べたくなる。そしてまた甘いものへ。交互に食べたくなるのはなぜでしょうか?
その理由はバランスです。
食材には、それぞれが持っている性質があります。例えば体を冷やす性質のもの、反対に温める性質のものなどがそれです。しょっぱいもの、肉や卵、脂っこいもの、塩辛い物を食べると、真逆の性質を持った甘いもの、くだもの、コーヒーなどが欲しくなります。
シーソーを思い浮かべてください。まずしょっぱいものを食べてシーソーが一方に傾くと、元に戻すためには反対側に別のものを載せなくてはいけません。しょっぱいものの反対側に載るもの。それが甘いものです。
シーソーの振れ幅が大きいと、戻すためにも同等か、それ以上のエネルギーが必要ですね。
しょっぱい、甘いが繰り返されるのは互いが真反対で両極端な性質を持っているため、バランスを取ろうとしているから。交互に繰り返し食べたり、食べ過ぎてしまったりということが起こります。
現代の食生活はタンパク質や脂質、味付けが濃くてしょっぱいものが多めです。そのため食後のデザートなど、甘いものを欲してしまうのです。
食事はもう食べられなくても甘いものは食べたい。「甘いものは別腹」の正体というのは、甘いものが好きだからという以外にも、上記の理由から実は体がバランスを取ろうと欲していることも考えられますね。
バランスが悪いシーソーは不安定
振れ幅や傾きが大きいシーソーは、その分不安定。バランスを取ろうとしてグラグラしている状態が大きいと、体の中も不安定になっていると考えられます。
甘いものが好きだった私は、かつて一人暮らしをしていた時にはこのバランスを考えずに食べ、時にはケーキやチョコレートだけでお腹をいっぱいにして体調を崩した経験もあります。バランスをとる術を知らなかった私は、ついつい食べ過ぎてしまっていたのです。
どちらか一方に偏って、片方をとり過ぎたり、または両方とり過ぎたり、取らな過ぎたりしても崩れてしまうバランス。
しょっぱいものに傾いた後に甘いものを食べると元に戻って一見バランスがとれているように感じるかもしれませんね。
ですが両極端なものでバランスをとるより、シーソーの中心近くのもので振り幅を少なくする方が安定していると考えられます。中心の安定した状態のことを中庸(ちゅうよう)と呼びます。
食事もこの中庸状態に近づけることを心がけると、バランスがとれ、体にとっても負担が少なくなるのです。
中庸に近い食べ方が体調を整える
食事で体調を整えるためには中庸状態の物を食べることが理想。そこに近づけるためには、色んな素材を組み合わせて調理することがポイントです。
単品ではなく数種類を組み合わせることによってお互いの持っている性質が作用しあって調和されます。どれか一つの性質が際立つことなくバランスが取れるのです。
そのために最適な調理法が重ね煮。様々な性質を持った食材をひとつの鍋で一緒に調理することで中庸状態の食事が作れます。季節に沿った旬の食材を重ねて作ることで、季節の流れにも体を沿わせることができますよ。
私自身、重ね煮と出会ってから普段の食事で体調を安定させる食べ方を実践することができるようになりました。食べ過ぎたり、もし偏ってしまった時にはそのままにせず、すぐに元に戻す食べ方をすることで体調を崩すことがぐんと減りました。
しょっぱいものの後に甘いものを食べたくなるなど、無性に別の味が欲しくなる時は体のバランスが大きく傾いている時。体からのサインに気づきバランスの取れた食事で体調を整えていきたいですね。
執筆者
重ね煮リサーチャー 石坂 真紀
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石坂 真紀
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